【工芸品】Faraji - ファラジ
イタリアで生まれた伝統的技法を日本に広げる
Farajiはフュージング技法を用いた器を手に取りやすい価格で提供する無二のガラス工房だ。
イタリア留学で工芸を学んだ丸山慎二郎氏とステンドグラス技法を地域に広めて来た丸山淳代氏が営んでいる。全て、手作りなので1点ものである。芸術的なものは、そうであるほど、デザインに特化し過ぎて高額になる。これ自体は悪いことではなく、芸術の世界では当然の流れだ。
ただし、Farajiの考え方は少し違う。まずは広げる。そんな想いを持っている上越市唯一のガラス工房である。
丸山慎二郎氏
上越市出身の氏の家系は少しユニークである。掘り下げて聞いてはいないが、有名な丸山酒造の代表の弟がいる。そこにどのような関連性があるかは明確ではないが、丸山酒造の代表と話した時と感じた共通点がある。とにかく、真っ直ぐということ。もうひとつは一流のものづくり職人がまとう鋭くも包容力がある空気感。淡々と技術を語るも大きな夢も同時に語る、そんな素敵な人柄である。
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丸山淳代氏
長野県松本市から上越市に移住してきた丸山淳代氏は、自身が学んだガラス技術ステングラスで生計を立てる。ステンドグラスというと教会のイメージが強いが意外と我々の生活の身近なところにある馴染みの装飾技術である。彼女は、自身の経営する春日山のお店で、淡々と高い技術を磨き、地域にその楽しさを広める活動をしていた。
Faraji
ファラジとは、みんなに水を届ける水路のこと。まさにぴったりの名前である。フュージョン技法、気論ワーク等は芸術性が高く尖る。故に高額になり、とてもじゃないが手の届かないものが多い。丸山夫妻は、多くの人にこの素晴らしい伝統技術を伝え楽しんでもらいたいとの想いで、どなたでも手に取りやすい価格を心がけている。私も使っているが、ファラジの器が1点でも食卓にあるとぐっと彩どりを得られるそんな不思議な魅力がある。まだまだ小さなガラス工房ではあるが、私は将来大きくなると踏んでいる。手に入るうちにぜひ。
新潟県上越市大学前65
電話:025-523-1696